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【教育コンサルタント】タバティ

今回は、「教育コンサルタント」としてスタートした今年を振り返ってみたいと思います。

この春3月、校長職を離れ、「教育コンサルタント」として様々な活動を始めました。講演活動・研修会の講師を務めたり、教育関係の執筆活動をしたり、ラジオの教育パーソナリティーとして番組もスタートさせたりしています。活動テーマは大きく三つです。

(1)「いじめ・不登校・自殺を生まない笑顔溢れる学校づくり」のヒントを10視点から提案しています。

(2)「意見をつなぐ学び合い」の授業づくりでは、コミュニケーションを核においた授業で理念として「全員思考の活用・全員発表・全員完了」を掲げています。あくまでも理念で、子どもたちで主体的に作り上げる授業づくりの提案です。先生はファリティ―ターに徹します。

(3)「教育漫才」で笑いの価値を伝え、「コミュニケーション力と人間関係作り」を通していじめ撲滅を提案しています。

この三つのテーマで、講演や研修の講師依頼を受けて全国各地に出かけたり、取材や原稿を執筆したりしています。4月からこんな感じで発信してきました。

<講演・研修等>( )の番号は、講演・研修会のテーマです。

・京都府の学校(3)、茨城県の学校(2)、愛知県の学校(2・3)(4回訪問)、埼玉県の学校4校(2)(11回訪問)、神奈川県の学校(2)(2回訪問)、大阪の学校2校(2)(3回訪問)、徳島県の学校(3)。北海道の学校(2)予定。

・文教大学(1)、東京理科大学(3)、東洋大学(1)。

・高知県教育委員会主催研修(1)(2回)、茨城県R市学校経営研修(1)。

・越谷市民主催「タバティと、不登校等にいて考える会」(1)。

・情報システム会社(1)(2回訪問)。

<遠隔ツールでの研修会講師>

・「学校をたのしくする会」主催(1)、「アルバ・エデュ」主催(2)、「共育の森」主催(3)、「NPO法人エンパワメント」主催(1)。                      講演・研修会講師 合計37回。

<執筆活動>

・原稿執筆の機会も頂きました。WEBや新聞、雑誌などで発信しました。合計41本。

・「教育漫才のススメ基礎編・応用編・実践編」3巻(フレーベル館)の監修等も担当しました。 合計2冊。 

<マスコミ取材>

・マスコミからの取材も様々なジャンルから受けました。WEBや紙媒体で発信されています。合計13回。

<ラジオ番組>

・こしがやFM86.8ラジオ局の教育パーソナリティーとして、番組「タバティの絶好調」(毎週金曜に10時30分から10時58分)を10月からスタートしました。

教育に特化した番組です。基軸はいじめや、子育てで困っている保護者や子どもたちが対象です。毎回ゲストをお招きして、教育について語り合います。この内容は、月に一回「越谷レイクタウン駅近くの『こしがや水辺の街づくり館」を会場に公開収録で3回分を録って翌週から1か月かけて放送されています。

次回は令和6年1月28日(日)12時45分開始、ゲストは楽亭じゅげむさん。入場料500円。 

公開収録合計3回 放送18回

等が主な活動実績です。

今年最後の講演会と研修会を振り返って ~先生たちの声、その姿から学ぶ~

(1)「いじめ・不登校・自殺を生まない笑顔溢れる学校づくり」講演会

12月21日(木)、今年度最後の講演は、茨城県R市の学校経営研修でした。講演会(14時から16時)終了後、一通のメールが入ってきました。お礼のメールです。

「(省略)楽しみにしていた2時間があっという間に過ぎてしまいました。盛りだくさんの貴重な体験談等、本当に勉強になりました。先生をお送りした後、会場へ戻ったところ、まだ10名ほどの仲間が残って、今日の先生のお話について、熱く語り合っていました。皆一様に、伝え合いの授業や異年齢での総合学習等を自校でもやってみたいと話していました。そして何より、管理職にとって、揺るがない理念を持った学校経営・学校運営が大切だということを実感していました。おかげさまで、皆から『Nさん、素晴らしい講演会を企画してくれてありがとう』と私が感謝されてしまいました。我々は皆、子どもたちのために何かしたい、何ができるのか、と日々悩んでいます。その悩みを解決するためのヒントを本当にたくさんいただけた、充実した2時間でした。先生にはご多用の中、遠くR市の地まで足を運んでいただき、長時間のご講演をいただきましたこと、会を代表しまして心より御礼申し上げます。私個人としては、本日学ばせていただいたこともさることながら、先生とご縁をいただけたことが、何よりの財産となりました。今後も厚かましく、ご連絡やご相談をさせていただくことがあるかもしれませんが、その際は、なにとぞよろしくお願いいたします。明日も大阪で研修ということで、忙しいことと思います。お体ご自愛いただき、良い年末年始をお過ごし下さい。(省略)」とても嬉しい内容です。こうした励ましの言葉こそ「生きる力」になります。明日への活力につながります。そして、私の希望は、三つのテーマのうち、学校や委員会、保護者等のニーズに応じて、再訪できる機会を頂くことです。

今回の講演テーマは、「いじめ・不登校・自殺を生まない笑顔溢れる学校づくり」です。学校づくりの視点から様々にヒントを提案しています。特に意識しているのは、10年の校長職で得た「理論と実践」です。これこそが私の個性が発揮できるところだと考えています。現場感覚をベースに伝えたいと考えています。

(2)「意見をつなぐ学び合い」研修会

 翌日12月22日(金)、大阪市立S小学校の校内研修会、テーマは国語「意見をつなぐ学び合い」です。

今日のプログラムは、13時から16時までの3時間です。

①「教育漫才の実際」DVD 20分

②「意見をつなぐ学び合い」の概論 50分

③「『アップとルーズで伝える』中谷 日出」(光村図書)の「消去型」模擬授業45分

④「『プラタナスの木』椎名誠」(光村図書)「納得解型」模擬授業45分

⑤質疑応答20分 

今回は、「意見をつなぐ学び合い」国語の授業づくり研修です。

②「意見をつなぐ学び合いの概論」では、挙手して途中で質問が入ってきます。先生たちは、とても主体的で意欲的です。こうしたセッションこそ「主体的、対話的で深い学び」を目指す研修会のあるべき姿です。この後も絶え間なく続きます。わからない時は、その場で聞くのが一番です。楽しい!

「アップとルーズで伝える」は、「消去型」の話し合いで展開しました。実は今回の研修会講師依頼は、8月に大阪市内N小学校で、同じ教材を活用して「納得解型」の話し合いで模擬授業を実施しました。その場にS小学校のお二人の先生が参加され、とても共感してくださり、今回の研修会につながったのです。したがって、前回と同じ教材で、話し合いの型を変えて体験してもらうことで、「消去型」・「納得解型」のそれぞれの相違に気づき、子どもたちの実態から、どちらかを選択して活用できると判断したからです。

先生たちは、学習課題に対して意見をつなぎながら、一つ一つ消去し、正解を追究することができました。

「プラタナスの木」は、「納得解型」の話し合いで展開しました。消去型と違って、否定されない展開の話し合いなので、優しい雰囲気で話し合いが終了しました。話し合いを通して、5人の先生が意見を変えました。この変容こそ学びの成果の一つです。意見を聞いて自分の意見を変えるという「内なる葛藤」を経て辿り着いた結論です。ここが面白いのです。

最後に、「アップとルーズで伝える」と「プラタナスの木」のどちらか選択して、A41枚の学習作文を三つの条件に沿って書いてもらいました。書く時間は10分ですが、先生たちは夢中で真剣に書いています。書きたくて仕方ないという勢いのあるペンの音と動きです。

終了後には、採点を求めて作文用紙を持ってきます。その場で読んで点数を付けて即返却します。条件に沿っているかどうかで評価する作文は、ほぼ全員が10点満点です。お見事です。採点で高評価をもらうと「やった!」「嬉しい!」と笑顔になります。子どもと一緒です。可愛い!

⑤研修の最後には、質問攻めです。予定よりも20分オーバーです。心に火が付いた感じの勢いです。

締めくくりとして、研修主任が感謝の言葉を述べてくれました。「今日はとても楽しかったです。とても学びが多く刺激を受けて、3学期にやってみたいと思います……」と。

「今日は楽しかった」これこそ、私が聞きたかった一言です。先生たちが、「夢中で意見をつなぎながら頑張ったから、楽しく感じる」のです。あなたが前向きだからです。嬉しい!

この意欲をつくり出せる講演・研修会はどうあるべきか新幹線の帰路考え続けていました。

おわりに

 「教育コンサルタント」を始めて9か月、「笑顔づくり」・「笑顔溢れる学校づくり」に貢献したいと思いながら全国各地に馳せ参じています。

今年もたくさんの方と出会いました。たくさんの刺激を受け学びました。深く感謝いたします。新年も皆さまが「笑顔」でいられますように、お手伝いができたら幸いです。全国津々浦々奔走したいと思っています。

「笑う人には福来る」これを実感してほしいと願っています。