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【拍手と笑い声を浴びる気持ちよさは赤ちゃんも感じる】じゅげむ

先日、大阪府摂津市にある「JOKA」という場所で落語ワークショップを開催させていただきました。ここは、青年海外協力隊の事務所でありながら、日中おじいちゃんおばあちゃんはカフェとして利用し、夕方は学校終わりの小学生達が集う場所です。最初「JOKA」にお伺いした際に、地域の皆様の居場所となっているのが素敵だと感じました。私のやりたい落語教育は「子どももご年配の方々も繋がる場作り」でもあります。JOKAで落語をやることで、また良い時間が生まれそうだと感じ、スタッフの方に相談をして実施に至りました。この日感じた二つの「ええやん」エピソードを残します。

〈おばあちゃんが子どもにええやん〉
落語ワークショップを始める前にみんなで「ええやん」と言う練習をします。「いいね」を関西弁で「ええやん」。他の地域で落語教育を行う際に関西ではない子達も関西弁を使うのが楽しくて「ええやん」をたくさん使います。「いいな」と思ったことに対して素直に口にする練習にもなります。そして落語を聞いた後、ペアを作って落語を2人でやってみる時間。おばあちゃんと小学生のペアがいました。小学生が何か表現する度に、とびっきりの笑顔で「ええやん」というおばあちゃん。このおばあちゃんの笑顔に子どももすごく嬉しそうな顔をしていました。親ではない大人にも褒められるこの経験が、人生の財産になっていきます。

〈何度も高座に上がる赤ちゃん〉
落語を聞いて学ぶだけではなく、落語をやってみる中で学びがあるのが落語教育の醍醐味。その場で真似をしたり、自分たちでくすぐり(笑いの部分)を考えたりする時間があります。その中でも高座に上がり、座布団に座り「実際に落語をやってみよう!」という時間もあります。扇子でお蕎麦を食べる仕草、扇子と手ぬぐいで手紙を書いてみる、その中に失敗を付け加えて落語にしてみます。今回は1歳の赤ちゃんDくんもお母さんと共にチャレンジをしました。扇子を持って口にご飯を運ぶ場面を行い、みんなからの大歓声と笑い声「ええやん」を浴びるDくん。座布団の上に座るだけで拍手喝采。Dくんが実際にやってみる姿を見て子どもも大人も大興奮でした。たくさんの拍手と笑い声と「ええやん」が溢れた時間。それが終わった後、私が話をして本編に入ろうとしたら、またDくんが自ら高座に上がってきました。すごくニコニコして嬉しそうに高座に上がってきた様子は今でも鮮明に思い出されます。邪魔をしに遊びに高座に来たのではなく、「この場所は良い場所!またみんなの拍手と笑い声を浴びたい!」という気持ちを本能で感じたのではないかなと考えています。誰かを喜ばせることの喜び。誰しもが持っている感覚なんだなと、Dくんの様子を見て感じました。
 
みんなからの「ええやん」がその後の人生のあと押しになる。「ええやん」をたくさん浴びられる落語教育、全国さまざまな場所で開催可能です!