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【自分の短所を小噺にする】じゅげむ

先日、神奈川県箱根市にて行われた、高校生の合宿イベントにて落語ワークショップの講師を務めました。この合宿では、高校生が本当の自分を見つめ直し、本当に好きなことややりたいことを考えます。その合宿にはたくさんの大人が居て、自分を見つめ直す度に周りにいる大人達からアドバイスを受けられたり、普段学校の授業ではやらない授業を受けられたり、自分と向き合う時間がたくさんあります。自分のやりたいことを紙に思いっきり書き出す時間、鶏の解体を自分自身でやってみる時間、SNS総フォロワー数50万人の講師による動画作成講座など、たくさんのプログラムがある中の一つに「落語ワークショップ」の時間をいただきました。落語ワークショップでは、落語の何が面白いのかを考え、落語を身近に感じた後、自分のオリジナルの小噺を作るという内容です。小噺を作るのはただの滑稽話ではなく、「自分の弱みを笑いに変える落語にする」というねらいをもったワークです。自分の弱みを「悪いところ」だと捉えるから弱みになってしまう。そんな弱みは見方を変えれば面白いものになり、個性として好きになれるのが、大きな価値だと考えています。実際に口コミで広がる背景には、その価値を認めてくださる方が多いからなのかもしれません。

まずは、落語に出てくる人達のはみ出した言動を楽しみます。やらかしたこと、間違えたこと。「落語とは、人間の業の肯定である」。立川談志師匠の言葉です。私はこの言葉から「業」とは人間誰しもが持っている弱みのことを指していると考えています。この「業」を題材にした小噺を創作する時間を作りました。「業」を嫌なものではなく、視点を変えて「面白がる」力を身につけ、自分の弱みと向き合います。その弱みを、みんなで視点を変えて面白いものに変換し、その後「業」に関するエピソードを出し、失敗を笑いにしながら小噺を完成させます。その日参加していた15人それぞれが小噺を作り、披露しました。聞き手の皆さんからは拍手や歓声が上がっていました。参加者の感想は

「自分の短所をこのような見方で認めることができる、ということを初めてしりました」

「落語がこんな風に自分事になるとは思っていませんでした。落語への印象が変わりました」

落語は古典的なもので、「古いもの、身近ではないものというイメージ」と言われることもありますが、思いの外身近なものであり、誰しもが落語の登場人物であります。日常にこそ落語はある。そして嫌だ、悲しいと思っているものこそ見方を変えるだけで笑いのネタになるし、自分の弱みに対する見方を変えることで自分自身を愛すことができる。どうしたら失敗を笑いに変える視点を身につけられるのか。その方法をLauqhterの教育でお伝えしてまいります。