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【外部講師の役割とは?】じゅげむ

 私は全国の幼稚園や学校に外部講師として、落語教育を届けています。外部講師はその日その場その時間しか関わることができませんが、だからこその良さ「外部講師ならではの役割」があることを感じます。

 埼玉県さいたま市の幼稚園、年長クラスに向けた講演にて、「寿限無」という落語の楽しさを伝えに行ったときの話です。実際に落語を見てもらったのですが、落語をする前に大切なポイントを伝えます。「この落語は『お名前』に関わるお話をします。みんなに聞くよ。お名前がある人ー?」もちろん全員手が上がります。「そう、お名前が無い人はいないよね。大切に大切に思いを込めて、お家の人がお名前をつけるんだよね。そんな落語のお話をするよ!」と言ってから始めました。後で園長先生から「実はね、昨日の誕生日会で全く同じ話をしたんだよ。名前が付いてない人はいない。みんなお家の人が思いを込めて付けたお名前なんだと。今日まさかじゅげむさんからそのお話をしてくれるなんて思ってもいなくて、思いもよらず嬉しかった。1回じゃ忘れてしまう。繋がりをもって話してもらい、そして先生だけでなく外の人が言ってくれることで、より子ども達に言葉が届く。ありがとう」と。

 今回は予め聞いていたわけではなく、偶然だったのですが、外部講師として日々の保育や授業との繋がりをもつことは、関わる上で大切にしている一つです。子ども達は「先生と同じことを外の人も言っている。先生だけの言葉じゃない」と気づくきっかけになります。

 また、この5月に東北地方のとある中学校へお伺いします。こちらの中学校では生徒も先生も「失敗が許せない」という風潮があるようで、私楽亭じゅげむが提供している、「落語から学ぶ失敗を笑いに換えるマインド」の授業をしてほしいと依頼がありました。落語の中で失敗を笑いに換えている部分を抽出し、日常でも落語と似たようなあるあるの場面を設定して、どのように笑いに換えるかを考え、発想したことに対して「いいね!」を言い合う時間を作ります。「先日、先生が間違えて板書をしてしまい、生徒から『え〜、先生なのに間違えるなんてありえない』という言い方をして問題になったことがありました。このようなときに否定するのではなく、笑いに換えるマインドが欲しいんです」とのことでした。

実際に日常であった否定してしまったこと。
「あぁ、こういう伝え方ができたんだ」
「誰も嫌な思いをせず、なんなら失敗を笑いに換えてハッピーにする方法があるんだ!」
と授業を通して反省する機会にもなったら良いなと思っています。

 最近の学校の様子を聞き、先生の言葉だけでなく、外の人からの一押しがあることでより聞く耳を持つようになる。日々の成長を見ていらっしゃる先生とそうでない外部の大人と、連携をして授業を作り上げることの重要性を感じながら、日々外部講師というお仕事を務めています。教育は一人ではなく、みんなで力を合わせて「みんなで育てる」ことが大切です。外部講師だからこそのできる役割を胸に、日々全国の学校へ駆け巡ります。

一般社団法人Lauqhter
楽亭じゅげむ