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自然な流れで@フリースクール

人生初めてフリースクールにお伺い。
落語を楽しんでいただきました。
「自然に落語を楽しむ流れに」がテーマだった今回。
「落語って何か知りたい!」という子ども達の探究心から始めることができた様子を残します!

目次

授業へ自然と

いきなり知らない人が入ってくるとドキドキしてしまうのはもちろんのこと。
「今日は外部の人に授業をやってもらう!」で始めるのではなく、教室の中へ入り、みんなと楽しくお話をし合うところからスタート。
自然とお友達のように輪に入っていき、何気ないお話で笑い合った。
好きなお菓子の話、得意な教科の話、授業中寝てしまったことがある話など…。
その後カードゲームをして心を近付けていく。
どんな場所でも自然と入ってけるのが私の特技でもあります。
会話の中でふと、
「私ね、実は今日着物を持ってるんだ〜!見てみない?」
と子ども達に風呂敷の中を見せると、
「わぁ!着物だ!紐とかもたくさんある…!」
女の子だけの場であったので「着てみるね!」とその場で着替え、ヒモの結び方、帯を結んでいる様子を見てもらった。
子ども達は目を丸くしていた。
日常で触れる機会が多くはない着物の着付け姿。
私も着付けから見てもらったのは初めてだった。
扇子と手拭いを用意して準備バッチリ。

「これなぁに?」と、扇子と手拭いを指差す子ども達。
「普段は扇子は仰いで使い、手拭いは汗を拭くものだけど、そうではない使い方を落語の中でするんだよ。例えばこう!」
と、お蕎麦を啜る仕草、本を読む仕草や、手拭いで縫い物をする仕草を見せた。
すると、「なんだかお芝居みたい!」と女の子。
「そうなんだよ!落語は一人で物語をお話するんだよ。じゅげむ(私)ね、落語のお話できるんだけど、聞いてみる?」
「えー!!聞きたい!やってやって♪」

落語ってなんだろう?お芝居?見てみたい!という子ども達の心を動かしてから始められた。
「ワークショップやるよ!」ではなく、「やってみようか?」という自然な流れでスタート
これぞ、学びとしてあるべき姿だ。
気持ちのいいスタートを切ることができた。
 

落語の聞かせる力の爆発的な威力

なかなか座ってられない、鉛筆を持ってしまう、集中力が無い。
学校や集団の中でそんな子がいたら先生としては叱る。
それは学習の土台を付けてもらうために。
また、周りの子達もそんな姿勢の子がいたら気になってしまう。
しかし、本当にそれができない子もいる。
特性上仕方ないものである。
学校の先生をやっていた立場からすると、個々で良いのだが、「何で〇〇ちゃんは良くて、私は怒られるの?」先生に対して怒ってくることも多い。
いや、特性が違うんだ、ということが子どもにはなかなか伝わらない。
集団で指揮をとる大変さ。
 
しかし、どんな子ども達も、落語をするとグッと集中し、こちらに身を寄せてくる感覚がある。
話が面白い!なんだこれは…話を聞いていたい!
という気持ちになっていくのだろう。
過去に3歳の子達に落語を行ったこともあるのだが、落語が始まるまではざわざわうろうろしていたが、始まった途端、「話を聞こう!」と前のめりになっていたことを思い出した。
落語の「話を聞かせる力」は素晴らしい。
教育現場に素晴らしくFITするものなのである。

「お、おいしい…!」

「ちりとてちん」という落語が終わった後、「座布団の上に乗ってみたい!」と一人ひとり挑戦してもらった。
扇子を持ち、「ちりとてちん」の腐った豆腐を食べるシーンをやってみる。
「ちりとてちん」に出てくる落語のキャラクター、知ったかぶりをする「たけ」さん、知っているはずのない腐った豆腐を珍味だと言われて苦し紛れに食べ、「お、おいしい…!」と強がるシーンは、笑えてとても面白い。
言葉や仕草を真似したくなる部分。
一人ひとり座布団の上で扇子を片手に挑戦し、ここでまたみんなで笑い合う。
それぞれの「たけ」の演技が面白い。
落語を強制ではなく、自ずと楽しむことができた日だったように思う。

 
フリースクールでの講演、ぜひいろいろなところへお伺いし、私も共に学ばせていただきたい。
外の人との関わりも生きていく上でとっても大切なこと。
お力になれることがありましたら、ぜひお声掛けください!