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なぜ落語なのか

今、教育と掛け合わせるコンテンツがたくさんある中で、「なぜ落語なのか」と問われることがたくさんあります。

私はその問いに、「皆の生き方が落語だから」だと言います。落語から学べるポイントはたくさんあります。

落語は400年以上の歴史があります。400年前に人々が面白いと感じていることが今も残り続けている。何千人も何万人もの人達が「面白い」って言ってきたもの。落語は実は古いものではなくて、日常に落語のような物語があふれているんだと、私は皆さんに伝えたいのです。生み出そうとしなくても、面白さは日常にあふれています。そこに気づけるきっかけを作るのです。

落語を創る時間にこのような小噺を作った方がいました。

子ども「目にゴミが入ったよ」

お母さん「ぱちぱちしてごらん」

子ども「うん(手を叩く)」

お母さんは「目をぱちぱちしなさい」と伝えたかったところ、子どもは「ぱちぱち」と聞いて手を叩きました。聞いた言葉から別の言葉を連想し、勘違いが起こる。この小噺を紹介すると「うちでも同じことが起こったことがある!」と他の方が言っていました。

逆に実際に会話で起こった内容が落語のようだったと教えてくださった方もいました。

お母さん「あら料理ができない!」

子ども「どうしたの?」

お母さん「お酢がないから料理ができないの」

子ども「オスがないならメスを使えば?」

お酢を「雄♂」に変換し、「雄♂」と対比している「雌♀」を並べています。プロの方はお笑いのテクニックとしてわざと使わることがありますが、今回のこの親子の会話は、「おす」という言葉を聞いて勘違いが起こりました。

伝統文化、少し敷居の高いものと感じられる落語、実は人とのやりとりの中で、皆自然と「落語」を経験しているのです。落語を知ることで身の回りに起きている面白さに気づき、楽しいことが増えていきます。あなただけの「落語」を見つけてみませんか。